20041027遺体は藤枝の男性 静岡の茶畑遺棄事件 先月16日から不明(静岡県内ニュース(社会))

静岡市水見色の殺人死体遺棄事件で、静岡中央署の捜査本部は二十六日、茶畑の土中から刺殺死体で見つかった男性の身元を藤枝市茶町、団体職員(37)と特定した。団体職員は九月十六日夕、焼津市内の職場を出た後、行方が分らなくなり、翌日、家族が家出人捜索願を出していた。捜査本部は団体職員が何らかのトラブルに巻き込まれ、殺害されたとみて調べている。
二十六日、浜松医大で遺体の司法解剖を行い、死因は左胸を凶器で刺された肺部損傷による失血死と断定した。死後一カ月ほどと推定している。
捜査本部によると、二十五日、事件の報道を見たという親族の男性から「団体職員ではないか」との情報が寄せられ、団体職員の自宅に残されていた指紋と遺体の指紋が一致した。
九月十七日、団体職員の妻(35)が藤枝署に「十六日の夕方から所在が分らなくなっている」と家出人捜索願を出した。妻は「夫は仕事上のことで悩んでいた」と話していたという。
団体職員の勤務先は焼津市内のスーパー。通勤に使っていた車はスーパーの駐車場でかぎが掛かった状態で見つかり、かぎは遺体が埋められていた土中で発見された。
司法解剖の結果、致命傷となった左胸の傷は深さ九センチに達し、傷口は長さ九センチ、幅四センチ。左腹の傷は深さ三・五センチ、傷口の長さ六・五センチ、幅三センチ。捜査本部は文化包丁のような片刃の鋭利な刃物で刺されたとみている。ほかに目立った外傷はないという。
団体職員は失踪した直後に何者かに殺害されたとみて、捜査本部はトラブルの有無を中心に関係者から事情を聴いている。

●仕事上のトラブル考えられない 勤務先スーパー店長
 静岡市水見色の殺人死体遺棄事件の被害者、団体職員は今年一月から、焼津市三ケ名のスーパーに勤務し、総菜売り場で調理や販売を担当していた。九月十六日は通常通り勤務した後、午後七時半から八時ごろの間に行方が分からなくなったという。店長(42)は「勤務態度はまじめで、欠勤もなかった。仕事上のトラブルは考えられない」と話した。スーパーの屋外の自転車置き場と店内の掲示板には団体職員の顔写真と行方不明になった日時、氏名、年齢、身長、服装などを記したA4判の尋ね人の紙が張り出されていた。