20041029 失跡後何が 手掛かりなく1週間 静岡茶畑殺人(静岡県内ニュース(社会))

静岡市水見色の茶畑で、土中から藤枝市茶町、団体職員=失跡当時(37)=の刺殺体が見つかってから三十日で丸一週間。静岡中央署の殺人・死体遺棄事件捜査本部は遺体発見の二十四日以降、延べ三百二十人の捜査員を投入し、遺棄現場や通勤に使っていた車が放置された焼津市内の職場の駐車場周辺などでの聞き込み捜査を展開してきた。同時に、交友関係や仕事関係などで何らかのトラブルを抱えていなかったか―などについて、関係者から話を聞いているが、これまでに有力な目撃情報や殺人の動機につながる重大なトラブルは確認されていない。
▽失跡当時
団体職員は九月十六日午後七時半ごろ、シフト通りの勤務を終えて勤務先のスーパーを出て、職員用駐車場に向かうところを職場関係者に目撃されたのを最後に消息を絶った。翌十七日に妻(35)が藤枝署に家出人捜索願を出した。
▽遺体の状況
身元確認は十月二十六日。左胸と左腹に、文化包丁のような片刃の鋭利な刃物による刺し傷があり、うつぶせの状態で埋められていた。遺体の傍らから見つかった車のキーと遺体の指紋から身元が分かった。抵抗してもみ合った際などにできる傷や手足をしばられた跡などはなかった。
▽遺留品
遺体発見時の服装は店を出た時のまま。身に着けていた紺色のズック靴、黄色のビニール製小型バッグ、携帯電話、運転免許証、財布などは見つかっていない。家族の話などから、所持金は五千円前後だったとみられる。
▽殺害現場
放置された車の中や周辺、遺棄現場周辺などから争ったような形跡は見つかっていない。捜査本部は団体職員が店を出た直後に、職場周辺で犯人に出会うか、待ち合わせた上で別の場所に移動し、そこで殺害された―との見方を強めている。
▽トラブル
職場の同僚や家族などの話からは、金銭問題を含め、殺人の動機になるような重大なトラブルは浮かび上がっていない。捜査幹部は「交友関係が広い方ではない。ギャンブルや女性関係の問題も聞かれない。周囲にまじめで、おとなしいとみられている団体職員の生活ぶりと殺人・死体遺棄という現実の間のギャップが大きすぎる」と首をひねる。
捜査本部は情報を求めるフリーダイヤル[(0120)290168]を設置している。