20041028 退社直後、トラブルか/静岡茶畑死体遺棄 顔見知りの可能性も(朝日新聞)

静岡市水見色の茶畑で遺体が見つかった殺人・死体遺棄事件で、被害者の生協職員蒔田晃さん(37)=藤枝市茶町2丁目=が、9月16日に焼津市内の職場を出た直後に事件に巻き込まれた可能性の高いことが県警捜査本部の調べでわかった。捜査本部は、交友関係や仕事などで何らかのトラブルがなかったどうかを調べている。

調べでは、蒔田さんは通常午後8時ごろに帰宅していたが、9月16日はそれを過ぎても帰らないため、妻(35)が8時すぎから何度か携帯電話にかけても通じなかったという。蒔田さんは当日午後7時半ごろ「お疲れさま」と声をかけて職場を出るのを同僚3人が目撃している。

通勤用の車は職場の駐車場にあり、施錠され、室内を物色された形跡はないという。財布と運転免許証が入っていたとみられる手提げと携帯電話が見つかっていない。

このため、捜査本部は蒔田さんが車を置いて職場を離れ、足取りが途絶えた直後に殺害されたと見ており、顔見知りによる犯行の可能性もあると見て調べている。

蒔田さんは今年1月、静岡市に本部のある生協の焼津店に異動。総菜主任として調理を担当していた。本部企画部部長(50)によると、8月上旬、同僚に「自分がいなくなっても仕事が回るのかな」と相談、同僚は冗談と思い気にとめなかったという。部長は「職場でのトラブルは見受けられない。新商品の開発意欲をみせるなどまじめに取り組んでいた」と話した。

一方、遺体が見つかった茶畑付近で9月下旬から今月中旬までの間、地元住民には見慣れない車が3度、目撃されていた。近くに住む30代男性によると、最初の2回はともに午後8時ごろ、現場から数十メートル下った農道にワンボックス型に似た車が止まり、降りた男性がドアを開けたまま車の周りをうろついていた。小太りの中年のようだったという。