20041026 茶畑に男性の遺体 損傷激しく、複数の刺し傷−−静岡中央署が捜査本部設置 /静岡(毎日新聞)

24日午前8時半ごろ、静岡市水見色の茶畑で、人の指が土から出ているのを草刈りをしていた農業の女性(64)が見つけ、近くの交番へ届け出た。発見された遺体は成人男性で、複数の刺し傷があった。県警捜査1課と静岡中央署は男性が刺し殺された後、現場に埋められたとみて捜査本部を設置し、殺人死体遺棄容疑で捜査を始めた。遺体は損傷が激しく、死後の経過時間や身元などは分かっていない。

調べでは、発見された男性は茶畑の作業用通路に掘られた数十センチの穴に、うつぶせの状態で埋められていた。左胸と左腹に刺し傷があり、着ていた半袖Tシャツにも刺し傷と一致する穴があった。現場に争った形跡はなく、靴も履いていなかったため、別の場所で殺害されて運ばれてきた可能性が高いとみている。

男性は身長170センチ前後のやせ形で、Tシャツの他に、白の3本線が入った紺色のトレーニングパンツにトランクス、穴のあいた灰色の靴下を履いていた。遺体はろう化が進み、年齢などは不明という。26日に司法解剖をして詳しい死因などを調べる。死後1カ月以上は経過しているとみられ、捜査本部は行方不明者の届け出リストなどを元に身元の確認を急ぐ。

現場では、25日朝から同署員らによる遺体の掘り起こし作業が進められた。第一発見者は近所の女性で、台風23号が接近した翌日の21日午後に、土ならしをしようと約1週間ぶりに現場付近に行ったところ、遺体が埋められていた作業用通路付近に大小二つの石が置かれ、さらにその上から普段は通路脇に立てかけてあった丸太2本(長さ約2メートル)が置かれていた。

その後、24日に再び付近を見ると、現場から白い指のようなものが見え、掘ると足が出てきたという。近所の女性(55)は「50年以上前から住んでいるが、こんなことは初めて。この付近は地理を知らない人は入らない道だし、気味が悪い」と不安そうに語った。

現場は静岡市中心部から北西に約12キロの山間地で、茶畑が広がっている。【大楽眞衣子、賀川智子】