20041025 胸と腹に刺し傷 静岡・水見色の死体遺棄 殺人と断定、捜査本部設置(静岡県内ニュース(社会))

(※写真とキャプション)
殺人・死体遺棄事件捜査本部の看板を設置する署員=静岡中央署

静岡市水見色の茶畑で、土中に埋められた男性の遺体が見つかった事件で、静岡中央署と県警捜査一課は二十五日、遺体の胸と腹に刺し傷があったことなどから、男性が何者かに殺害された後、埋められたと断定し、同署に殺人・死体遺棄事件の捜査本部(本部長・森下克弘刑事部長)を設置した。遺体は損傷が激しく、年齢などが判別できない状態。捜査本部は身元の確認を急いでいる。
調べによると、遺体が埋まっていたのは深さ数十センチの土中。うつぶせの状態で見つかり、左胸と左腹にそれぞれ刃物のようなもので刺された傷があった。
遺体は成人の男性で、身長一七〇センチ前後。かなりやせているという。紺色に白線が三本入ったトレーニングズボン、トランクス型のパンツ、茶系の半袖シャツ、灰色の靴下を着用していた。半袖シャツ左胸と左腹の位置に穴が開いていた。靴下の先が破れ、指が出ていた。
靴が見つかっていないため、捜査本部は別の場所で殺された後、茶畑まで運ばれたとの見方を強めている。
遺体は空気が入りにくい湿った土中などで体内の脂肪が変化し、灰白色になる屍蝋(しろう)化がかなり進んでいるという。屍蝋化は死後、二、三カ月で始まるといわれるが、捜査本部は「現段階で死亡時期は推定できない」としている。
現場は市街地から北西に約十二キロ離れた山間地の茶畑。地元の人以外あまり通る人はいないという。
捜査本部は五十二人体制で、現場周辺の聞き込みに当たるとともに、衣服や歯形、指紋、家出人捜索願などを手がかりに身元の確認作業を急いでいる。
二十六日に浜松医大で遺体を司法解剖し、死因などを調べる。

●21日、異変に気付く
静岡市水見色の茶畑で遺体を発見した女性(64)が最初に異変を感じたのは二十一日午後。茶畑の別の場所に置いてあった長さ二メートルほどの丸太二本が、二つの大きな平らな石の上に渡すように置かれていたという。
女性は二十四日午前八時半ごろ、茶畑に草取りに来たところ、白い脂のかたまりのようなものと、ぼろ切れが土の中から出ているのに気づき、いったん土をかぶせてから、近所の人を呼びに行き、一一〇番通報した。